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太陽光発電標識とは?設置する場所やサイズ、掲載する内容について解説
太陽光発電設備を設置すると、安全性や情報公開のために「太陽光発電標識」の設置が義務付けられます。しかし設置場所やサイズ、掲載内容など、具体的なルールは複雑で分かりにくく、どのように対応すればよいのか悩む方が多いでしょう。
そこで太陽光発電標識とはどのようなものなのか、設置義務の有無や設置場所の選び方、標識のサイズ、素材、掲載内容など、標識の設置に必要な情報を網羅的に解説します。
太陽光発電を始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電標識とは?
太陽光発電標識とは、太陽光発電設備が設置されていることを示す標識のこと。故障・事故などが起きた緊急時に、連絡する管理責任者を明確にするため設置されます。太陽光発電設備が存在していると周知し、周辺住民や通行人などの感電を避けるのにも役立ちます。
記載すべき内容としては、発電設備の所有者や設備容量、設置日などがあり、標識のサイズや設置場所、素材などに関しても規定が定められており、基準をクリアしなくてはなりません。
20kW以上の太陽光発電事業者は標識の設置が必須に
太陽光発電標識は、全ての20kW以上の太陽光発電事業者を対象に、設置が必須となっています。ただし屋根上に設置されている設備は、所有者が明らかなため例外です。
標識の設置は、2017年に施行された「再生可能エネルギー特別措置法の一部を改正する法律(改正FIT法)」により義務化され、標識を設置していない場合は資源エネルギー庁より指導が入り、それでも改善されない場合には改善命令・認定取消しの対象となる可能性もあります。
しかし依然として標識を設置していない事業者が多数存在し、資源エネルギー庁から注意喚起が行われるほどです。2021年度からは、供給開始までに標識を設置する宣誓書の提出が必要となっており、設置を徹底するよう求められています。
また改正FIT法で義務付けられているのは標識の設置だけでなく、感電事故・いたずらによる発電停止を防ぐ「フェンスの設置」や、安定的かつ効率的に発電できるよう「適切なメンテナンスの実施」なども含まれます。
太陽光発電標識を設置する場所
太陽光発電標識を設置する場所は、発電設備の外部から見えやすい位置に取り付けることと定められています。
具体的な設置場所の指定はありませんが、同じく設置が義務付けられているフェンスで見えなくならないように、発電設備を囲むフェンスの外側に設置しましょう。
また強風などで標識が外れないように、しっかりと固定して設置する必要があります。
太陽光発電標識のサイズ
標識の大きさは、資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」によって、縦25cm以上×横35cm以上と定められています。おおよそB4用紙相当の大きさです。
ただしガイドラインで定められているのは、あくまで最低限のサイズであり、規定サイズ以上でも問題ありません。
※参考:資源エネルギー庁. 「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(参照 2024-02-13)
太陽光発電標識に掲載する内容
太陽光発電標識に掲載する内容は厳密に定められており、いずれの項目にも必ず記載する必要があります。提出した事業計画の記載内容と一致するように記載しなくてはなりません。
標識に掲載すべき内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 発電設備の区分(太陽光発電設備と記載)
- 発電設備の名称
- 設備ID
- 発電設備の設置場所
- 発電設備の出力
- 認定事業者名(法人の場合は名称および代表者氏名)・住所
- 保守点検責任者名(法人の場合は名称および代表者氏名)
- 連絡先
- 運転開始年月日
個人・法人の場合で内容が少し異なり、法人の場合は代表者の氏名は任意での表記となります。
また連絡先に関しては、設備の事故など緊急事態が発生した際に、速やかに対応できる責任者として、認定事業者または保守点検責任者いずれかの連絡先(電話番号)を記載しなくてはなりません。
運転開始年月日は、運転開始前・開始後によって以下のように記載方法が異なります。
- 運転開始前:西暦〇年〇月〇日(予定)
- 運転開始後:西暦〇年〇月〇日
もし運転開始予定日が変更された場合は、そのたびに該当箇所の修正が必要です。
太陽光発電標識の素材
標識に使われる素材は明確に決まっていませんが、風雨により劣化・風化で文字
が消えない材料を使用することと定められています。
屋外での使用を想定すると、ある程度の強度が備わった「アルミ複合板」がおすすめ。屋外用看板などにもよく使われている素材です。錆びに強いステンレス製のものもありますが高価なため、比較的安価なアルミ複合板の方が適しています。
どうしても紫外線により色褪せ・ヒビ割れといった劣化が発生するため、UVシートを貼ってあるものを選びましょう。
また看板そのものだけでなく、文字の劣化対策も必要です。一般的なマーカーペンでは色褪せてしまうので、屋外用の耐候性マーカーを使うと文字が薄れにくくなります。
まとめ
太陽光発電標識とは、故障・事故などの緊急時に、連絡する管理責任者を明確にするため設置されるもので、周辺住民や通行人などの感電を避けるのにも役立ちます。
FIT法が改正されたことで、フェンスの設置やメンテナンスの実施とともに、20kW以上の太陽光発電事業者に義務付けられており、違反すれば最悪の場合認定取消しになる可能性もあります。
これから太陽光発電に取り組む方や、既に取り組んでいる方は、エネルギー庁が定める規定を確認して、すぐに設置しましょう。
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